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 火山活動で形成された岩脈が長い年月をかけて隆起と浸食を繰り返し、独特の山岳景観を生み出している宮崎県北部の大崩(おおくえ)山群。主峰の大崩山(1644メートル)の南側に、巨大な花崗岩(かこうがん)の一枚岩で知られる鉾岳(ほこだけ)(1277メートル)がある。

 その登山路の途中で、ぱっくりと大口を開けて待ち伏せ、登山客を驚かせるのが通称「パックン岩」だ。

写真・図版
6人グループの登山客に、「食べないで」とポーズを取ってもらった=宮崎県延岡市、山本壮一郎撮影

【撮影ワンポイント】 パックン岩

 急勾配の登山道を歩くため、普段は2台持つカメラを1台にし、レンズ3本をリュックに入れた。約1時間、渓流を岩伝いに渡ると、パックン岩の「口」にたどり着いた。アングルは安全な場所からの撮影に限定される。一般客の姿も入れようと待つこと1時間。登山客がようやく姿をみせたので、ポーズをとってもらった。 (山本壮一郎)

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 コンピューターゲームのキャラクター「パックマン」に似ていることから名付けられたとされる。

 岩の高さは7メートル。開いた口は幅6.5メートル、奥行き2.5メートルあり、まるで巨大なナイフでばっさりと切りひらいたようだ。

 食べられてみたい――。福岡市から車で3時間半をかけ、登山口がある鹿川キャンプ場へ。靴ひもをしっかり結び、やや険しい渓谷沿いの山道を1時間進むと、落差50メートル以上ある大滝があらわれる。その上流に立ちふさがる巨岩の裏へと回り込むと……。

 いた。パックン岩だ。

 上流から降りてきた6人グル…

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